【完】幼なじみのあいつ


「鈴、ただいまーーーっ!」


元気よく帰って来た香織に、私の口元が緩む。


一人ぼっちだったから、寂しかったんだよ~っ!!



「お帰り、香織。凄く寂しかったよーっ」


そう言って私はドア付近まで、香織と美香を出迎えた。




「顔色良くなったみたいで良かった!私も鈴がいなくて寂しかったんだよ~」


そう言って香織は勢いよく、私に抱きついてくる。


私の身体がグラついた。




「ちょっ!香織、倒れちゃうよぉ?」


「ごめんごめん。あ、鈴。顔色が良くなってきたね」


「うん、おかげ様で。香織のおかげだよ?香織、だーい好き」



抱きついている香織の身体を、ギュっと抱きしめ返す私。


香織と抱擁し合いながら、視線をソファーに向ける。




「…で?美香は何であんなにイラついてるの?」


ソファーの上で凶悪な顔をしながら、ゴクゴクジュースを飲んでいる美香を見た。


イライラしているのがこっちまで伝わってきて、ちょっと怖い。



美香、何かあったのかな?


< 103 / 239 >

この作品をシェア

pagetop