【完】幼なじみのあいつ
「あっ!そろそろお風呂にいかないと夕御飯の時間になっちゃうね」
そうそう、のんびりしている場合ではなかったのよ!
夕飯後はお風呂がかなり込み合ってるって先生が言ってたから、今のうちに行かなくちゃ。
「そうだね…。でも美香が帰ってきた時、私達がいないと部屋に入れないからまだここを出ちゃまずいんじゃないかな?」
うーん、どうしたものか?
と2人で悩んでいると、ドアのノック音が聞こえてきた。
香織がドアを開けると、今だに不機嫌な美香がドアの前に立っていたのが見えた。
「…ほら、早くお風呂に行ってきたら?私は部屋で待ってるから」
そう言うやいなや部屋の中に入った美香は、自分のベットに座ると携帯弄り始めた。
暇さえあれば携帯弄ってるね、美香は---
呆れながらタオルや下着等入った袋を手に持ち、香織を待つ。
用意し終わった香織が美香に一声かけ、私達は大浴場へ向かった。
* * * * *
今日は3日目、修学旅行最終日の朝。
午前中、保津川の船下りを体験した後、新幹線で帰るという日程になっております。
私の体調は3日目にして万全となったにも関わらず、今日で修学旅行が終了となってしまう事に凄く残念な気持ちでいっぱいだった。
私、この修学旅行中寝てばっかりだった気がするんだけど、気のせいではないよね?