【完】幼なじみのあいつ


本当に、どうしたんだろう?


やはりこの場合、早紀ちゃんの彼氏である翔ちゃんに知らせた方がいいよね?




そう思った私は、斜め後ろにいた翔ちゃんの袖を引っ張った。



んーっ?


何て面倒そうな声が聞こえてきたけれど、そんなのは無視無視っ!




「ね、翔ちゃん。何かね、早紀ちゃん泣いてるみたいだよ?大丈夫かな」



翔ちゃんはチラッと後ろにいる早紀ちゃんに視線を向けた後、すぐに視線をそらし前を向いてしまった。


何も返事をしない翔ちゃんに、苛立つ。




翔ちゃん、早紀ちゃんが心配じゃないの?


いつもの翔ちゃんだったら、大好きな早紀ちゃんが泣いていようものならばすぐに飛んでいくはずなのに---



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