【完】幼なじみのあいつ
「…翔ちゃん?」
「分かってる…」
何が分かってるのか、私には分からない。
早紀ちゃんが泣いていることも気になるけれど、翔ちゃんの態度も気になった。
2人の間に何かあったのは間違いなさそうだけど、もしかして喧嘩とかしちゃったのかな?
だとしたら、赤の他人が口出すことではないよね。
そう納得し、もう翔ちゃん達の事は気にしないようにした。
* * * * *
さ、私達の順番が回ってきましたよっ!
早速、皆で船に乗り込んだ。
私達の班の順番は、まぁお決まりな席順になってしまいました。
私の隣は亮ちゃん、私の前には香織と聡君ぺア。
で、私の後ろは翔ちゃんと美香のぺアとなっております。
船に座る時、私に手を差し伸べてくれた亮ちゃん…、紳士だね。
ちょっとテレながら、船に乗り込みましたっ!
「亮ちゃん、楽しみだねっ」
「そうだな。…鈴、寒くないか?」
言われてみれば船の上だからか、少し肌寒い。