【完】幼なじみのあいつ


「…うん、少し寒いかな?」


そう言うと亮ちゃんは、私を身体を引き寄せてきた。




「えっ?!亮ちゃん、…は、恥ずかしいよっ」


ここにはクラスの皆がいるし、絶対に冷やかされるっ。


そう思って、亮ちゃんの肩を押し返す。



少し肩を竦めた亮ちゃんが、今度は私の手を握り締めてきた。




「…こうしてれば温かいよな?」


うん、温かいね。


でも、やっぱり恥ずかしい。




チラッと亮ちゃんを見ると、鈴を抱きしめたい…、何て言ってくる。


言われて私の心臓はバクバク激しく音をたて、ぶっ倒れそうです---




誰かに見られていたらヤダだな…と思って辺りをこっそり見まわすと、翔ちゃんとバッチリ目が合う。


びっくりして、すぐに目を逸らしてしまった。




あ、しまった。


こういう態度ってよくないよね?



すぐに反省した私はもう一度後ろを見ると、翔ちゃんはもうこっちを見ていなかった。



気にしていなかったのかな?




ホッと息をついてから、前を向く。


するとすぐ目の前に、大きな岩が飛び込んできた。


ビックリだ!




船はすぐにその岩を避けたから大丈夫だったけど…、ぶつかるかと思ったよぉーっ!



< 112 / 239 >

この作品をシェア

pagetop