【完】幼なじみのあいつ
「…うん、少し寒いかな?」
そう言うと亮ちゃんは、私を身体を引き寄せてきた。
「えっ?!亮ちゃん、…は、恥ずかしいよっ」
ここにはクラスの皆がいるし、絶対に冷やかされるっ。
そう思って、亮ちゃんの肩を押し返す。
少し肩を竦めた亮ちゃんが、今度は私の手を握り締めてきた。
「…こうしてれば温かいよな?」
うん、温かいね。
でも、やっぱり恥ずかしい。
チラッと亮ちゃんを見ると、鈴を抱きしめたい…、何て言ってくる。
言われて私の心臓はバクバク激しく音をたて、ぶっ倒れそうです---
誰かに見られていたらヤダだな…と思って辺りをこっそり見まわすと、翔ちゃんとバッチリ目が合う。
びっくりして、すぐに目を逸らしてしまった。
あ、しまった。
こういう態度ってよくないよね?
すぐに反省した私はもう一度後ろを見ると、翔ちゃんはもうこっちを見ていなかった。
気にしていなかったのかな?
ホッと息をついてから、前を向く。
するとすぐ目の前に、大きな岩が飛び込んできた。
ビックリだ!
船はすぐにその岩を避けたから大丈夫だったけど…、ぶつかるかと思ったよぉーっ!