【完】幼なじみのあいつ


「ねぇ、亮ちゃん?」


「ん?」



じっと周りの景色を眺めていた亮ちゃんの視線が、私に移る。


あんなに仲の良かった、翔ちゃんと亮ちゃん。


それが急に悪くなってしまった事、ずっとずっと我慢して聞かなかったけれど、もう聞いてもいいよね?




ずっとこのままの状態って、よくないと思うし---




「あのさ翔ちゃんと亮ちゃん、この頃あまり仲が良くないように見えるんだけど…、何かあった?」



思い切って聞くと、亮ちゃんの眉が一瞬寄る。


しかしすぐに表情を戻した亮ちゃんは、何もないと私に言ってきた。




何もないわけないじゃん。


だってお互いに全く目を合わせないし、話しもしないんだよ?



おかしいよね?




んーーっ?と、訝しげに亮ちゃんを見た。


すると亮ちゃんは私の眉間に指を当て、シワが寄ってるよ…、と言って撫でてくれた。




「前みたいに三人仲良く、一緒にいたいな…」


私の眉間に指を当てている亮ちゃんの指を払い退け真剣に亮ちゃんを見るが、難しそうに顔を歪めるだけで何も言ってくれない。



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