【完】幼なじみのあいつ


「あの…、鈴さんに話しがあってここで待ってたんです」


私を待っていたのか---




授業開始までには、まだ少しだけど時間がある。


早紀ちゃんの話って何だろう?


気になるから少しくらい、いっか…。


真剣な顔つきで私を見つめる早紀ちゃんに、コクンと頷いた。



きっと翔ちゃんの事だよね?


何て予想しながら---




「で?早紀ちゃんどうしたの?」



あれから何も話さずジッと私を見つめる早紀ちゃんに痺れを切らし、私から話しかける。


すると早紀ちゃんはそれに促され、ぐっと息を飲み込み口を開いた。




「…あの、鈴さんは翔ちゃんと仲が良い幼なじみだというのはよく知っています。でも…、出来れば翔ちゃんとは今後、一緒にいて欲しくないんです」



きっぱりとそう言いきる早紀ちゃんは、いつもの可愛らしい早紀ちゃんではない。


妙に強気に私を睨みつける早紀ちゃんに何かを感じ、ゾクッと寒気がした。



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