【完】幼なじみのあいつ
「あら、起きたの?身体は大丈夫?」
扉を開けて入ってきたのは、見慣れた保険の先生だった。
と言う事はここは、学校の保健室かぁ…。
大丈夫?
と聞かれても、痛いの一言につきるんだけどね。
「…全身が痛すぎです。後、頭も少し」
「階段の下に倒れていたようだけど、もしかして階段から落ちたの?」
「はい」
「やっぱり…。洋服で隠れていて分かりづらいけど、結構打撲が酷くて驚いたわ。今から病院に行きましょう。あっ、貴方の鞄どうしよっか?」
私の鞄…、かぁ。
身体が痛くてとてもじゃないけれど、教室まで鞄を取りに行くのは正直シンドイ。
どうしようか?と悩んでいたところで、保健室のドアが突然開いた。
「鈴、大丈夫か?」
扉を開けたのは亮ちゃんだった。
「大丈夫…、じゃないかも。かなり痛い」
「どうした?倒れてたって聞いたが、何があった?」
痛みを訴える私の傍に亮ちゃんが来て、私の背中を擦ってきた。
「ちょっと階段踏み外して落ちちゃった」
一瞬、私の顔をジッと見ながら考える素振りを見せる亮ちゃん。
私の嘘を見破られたのかな?
亮ちゃんの感って、鋭いからなぁ---