【完】幼なじみのあいつ
「…髪の毛、ボサボサになっちゃったな」
「うん…、ん?あっ!何で2人はここにいるの?」
翔ちゃんと早紀ちゃんの険悪な状況に気付かなかったけど、二人のいきなりの登場に今更気付き問いかけた。
本当に、どうして?
だって私、早紀ちゃんとここで会うって誰にも言ってなかった筈なんだよ?
「…香織ちゃんが教えてくれた」
「えっ?!」
私、香織にも話してないんだけど?
亮ちゃんの顔を凝視していたら、それに気付いた亮ちゃんはその答えを教えてくれた。
「早紀ちゃんからの呼び出しメモをゴミ箱に捨てただろ?その紙が気になって香織ちゃん、ゴミ箱あさって見たらしい」
香織、ゴミ箱あさったんだ?
ゴミ箱をあさっている香織の姿を想像し、一瞬顔を顰める。
「…そ、そうだったんだ?」
引きつった笑みを亮ちゃんに見せながら頷き、次に翔ちゃんを見た。
「…翔ちゃんは早紀ちゃんが私に手を出すって知ってたの?」
二人の仲も気になるけど、それよりもこれが一番気になる事だ。
どういう事なの?翔ちゃん。