【完】幼なじみのあいつ
「翔ちゃん、ありがとうね」
シーンと静まり返る廊下で、私をおんぶしながら歩いている翔ちゃんにお礼を言った。
「おうっ!」
私の言葉に対し、翔ちゃんはテレながら返事を返してくる。
この、テレ屋さんめ。
翔ちゃんいつの間に、こんなにおっきな背中になったんだろう…。
きっと来年、高校生になった翔ちゃんは今以上に、逞しく成長するんだろうね。
これからもずっと翔ちゃんと一緒にいたいのにそんな事、出来るわけないと思った瞬間、寂しい気持ちが溢れ出す。
翔ちゃんの頭に、自分の頭をコツンとぶつけてみた。
私の鼻に翔ちゃんの髪の毛が当たって、ちょっとくすぐったい。
でもそのくすぐったさが、私の心を満たしてくれた。
あったかーい翔ちゃんの背中が心地よくて、目を瞑り一時の幸せを堪能。
翔ちゃんは、早紀ちゃんのもの。
分かってる---
でも、今だけは…、
このままで、いさせて---
翔ちゃん、大好きだよ?
涙で目が滲む---