【完】幼なじみのあいつ
「こいつバカだからボール踏んづけて転んで、膝とおでこケガしてやんの」
「ちょっ!言わないでよ、翔ちゃんっ」
からかってくる翔ちゃんにこれ以上、話して欲しくなくて止めた。
だってここに早紀ちゃんがいるんだよ?
私にだって、女のプライドってものがあるのだ。
ダメな子だって思われたくない。
だからこれ以上、しゃべらせないように翔ちゃんの口を塞ごうと手を出した。
そんな私の動きに素早く反応した翔ちゃんは、私から離れさっさと靴を履く。
ほんっと、素早さは天下一品だね!
翔ちゃんの事はもういいや…と諦め、上履きを靴箱に入れる。
そして靴箱に入っていた自分の靴を取り出し地面に置いたのだがその一連の動作をするたびに、痛みが増し眉を寄せた。
それでも何とか靴を履き、そして亮ちゃんを見る。
すると亮ちゃんが私に手を伸ばしてきた。
何だろう?
そう思っていると、いきなり持っていた鞄を引っ取られた。
そして自分の鞄と私の鞄を今度は、翔ちゃんに手渡している。
翔ちゃんは何故自分に鞄を渡してくるのか分からなかったようで、何?っと聞きながら、鞄を受け取っていた。
私も亮ちゃんが何をしたいのかがよく分からなくて、首を傾げた。
翔ちゃんの横にぴとっとくっついていた早紀ちゃんは、そんな2人を交互に見ている。
その姿はまるで、小動物のようで可愛いらしかった---