【完】幼なじみのあいつ
「キス、しちゃまずいのか?」
「あのな、前にも話したけどさ、キスっつーのは付き合ってるヤツ同士がする『俺達は付き合ってる』でさ……て、えっ?付き合ってる?……誰と誰が?って、まさかお前と鈴が?…いや、まさかな」
驚いてるね、翔ちゃん---
まさか亮ちゃんと私が付き合うなんて、思うわけないもんね。
驚きの色を隠せない翔ちゃんに何を言えばいいのだろう?と考えていると、亮ちゃんがベッドから立ち上がり、翔ちゃんを見据える。
「聞こえなかったのか?…なら、もう一度言う。俺と鈴は付き合っている。だからお前にキスの事でとやかく言われる筋合いはない。分かったか?」
亮ちゃんがそういった瞬間、翔ちゃんの泳いでいた目が一瞬にして亮ちゃんを睨みつける。
それに答えるように、亮ちゃんも睨み返した。
「鈴、話しがあるんだ。聞いてくれないか?」
「すまないが、また今度にしろ。鈴はまだ熱があるんだ」
翔ちゃんが私に向かってそう言った瞬間、亮ちゃんが翔ちゃんのもとへと歩いて行きドアを閉めようとした。