【完】幼なじみのあいつ
「……で、何があったのかな?」
んーっ…、
何があったのかって言われても、あまり言いたくないなぁ。
ゴロンと横になりながら、何て言おうか考えてみるが良い答えが浮かばない。
「ふーっ、ま、言わなくても良いわよ」
ニッコリ微笑む先生に、何も言えない私としては苦笑いしか出なかった。
体温計から終了音がなり響き、体温計を取り出す。
「…先生、37.8度です」
言いながら、先生に体温計を手渡した。
体温計を受け取った先生はその数値を確認した後、難しい表情をする。
折角の修学旅行なのに今日一日、ベッドの上かぁ…。
翔ちゃん達とたくさん遊びたかったのに…。
そうは思っても翔ちゃん達のあの雰囲気じゃ、今日一緒にいたところで楽しくなかったかな?
「………ひゃっ?」
いきなり額に、冷たい物が乗せられ驚いた。
あぁ、冷えピタかぁ…。
「今日一日、ゆっくり寝ていなさいね」
「はい、先生…」
いつの間にか置いてあった水枕とヒエピタの冷たさが心地よくて、だんだんと眠くなってくる。