【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
今日から三泊四日の修学旅行、行き先は京都・奈良だ。
今現在付き合っている早紀ちゃんと一緒に、集合場所である駅の前の広場まで向かっているところ。
早紀ちゃんは楽しそうに俺に話しかけてきて、俺はそれに相槌を打つ。
そんな早紀ちゃんを横目に今の俺は鈴が好きだと自覚した事もあり、早紀ちゃんにはいつ別れ話を告げようか?と悩んでいた。
そんな事を思っていたらいつの間にか集合場所に着いていて、俺と早紀ちゃんはクラスが違う為その場で別れる。
その時、笑顔で手を振ってくれた早紀ちゃんに対し、俺の表情はどこかぎこちなかったのかも知れない。
俺の顔を見た早紀ちゃんが一瞬、悲しげな表情をしていたから---
新幹線に乗り込み鈴の隣に座ろうかと思って鈴を探していたら、いつの間にか俺の傍にいた同じクラスの美香が俺の腕をとり座席へと誘導する。
クラスの奴らの楽しそうなざわめきと隣に座って話しかけてくる美香に耳を傾けながらも、通路を隔てた隣に座る鈴と亮平の存在に俺はしっかりと意識を集中していた。