【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
鈴の隣をしっかりと陣取っている亮平を睨みつけていると、それに気付いた亮平も俺にガンを飛ばしてくる。
鈴は後ろに座っている香織ちゃんとさっきまで話していたのに、今はつまんなそうに前を向きながらプリッツを食べていた。
その姿を視界に入れつつも俺は今だ、亮平との睨み合いは続いている。
突然、睨み合いを終わらせたのは亮平。
俺から視線を逸らした亮平は、鈴に話しかけていた。
「…?」
何を話しているんだ?
二人をジッと見ていたらなんと、鈴が食べようとしていたプリッツを亮平が横から銜えやがった!
しかもその銜えたプリッツを鈴に銜えろとでもいう様に、鈴の口元に向けやがるっ!!!
オイオイオイっ---、お前なんて事をしてくれてんだっ!
しかも鈴、お前は一体何をしているっ?!
口を開けて良平の銜えているプリッツを、銜えようとするんじゃねぇっ!
「っ!!!!!」
俺は急いで鈴の服を引っ張り、抱きとめた。
「亮平…、お前なにしてやがる?」
「…鈴と一緒にプリッツを食べようかと思ったんだが、悪いか?」
「そんな食べ方すんなっ!!!」
「……冗談だ」
ニヤリと笑う亮平を殺してやるってくらい、睨みつけてやった。