【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
身体からかなり汗が流れ出し、足が思うように動いてくれない。
体力が限界に近いかもしれない。
それは相手チームもだろう…。
弱音は、吐いていられないな---
服で汗を拭い、スローインに入ったキャプテンのボールを取る。
一人二人と抜かしながら、チラッと視界に入ったシノにパスを繰り出す。
シノは次期キャプテンというだけあってバスケの上手さは勿論、バスケセンスもかなりいい。
俺が困った時によくコイツが近くにいてくれるから、ホンッと助かっている。
「ナイッスシュー」
俺から受け取ったボールでシノはシュートを決めた。
うん、やっぱスゲー後輩だな。
流れが、こっちにきた---
そう思っていたのもつかの間だった。
相手方がメンバーチェンジする。
入ってきたのは、190cmコンビ。
そいつらは今までなんだったのかっていうくらい、素早い動きで俺たちを翻弄し始める。
なんとか自分の身体を動かしシュートを止めようとするが、デカイくせに動きも素早すぎてマジでやばいと感じた。
「チッ…」