【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
ジャンプボールはこのチームで一番背の高い、俺がやる事になった。
相手チームは…、
やっぱりキャプテンか---
「チッ」
思わず舌打ちすると、キャプテンは俺を見てニヤッと笑う。
「翔、宜しくなっ」
俺よりも背の高いキャプテンの、ジャンプボール取得率は相当なもんだ。
しかーしジャンプボールが取れなくても、その後必ずボールを奪ってやるぜっ!
俺がキャプテンを睨みつけると、ますます面白そうに笑みを浮かべてきたもんだからますます苛立つ。
ジャンプボールが始まった。
やっぱりキャプテンにボールは取られたが、すぐに俺はボールを奪い取ってやった。
「ヘッ」
キャプテンの横を通り過ぎながら、お返しとばかりにニヤケてやった。
しかしキャプテンはそんな俺の顔を見ても、悔しそうな顔などしない。
それどころか楽しそうに笑っている。
なんだ、あのよゆー面っ!
「鈴っ!ボサッと突っ立ってんな!走れっ」
鈴の横を通った時、ボーっとしている事に気付き声をかけた。
こいつ…、まだ俺の作戦の事を考えてたな?
いい加減、気持ちを切りかえろっつーのっ!