【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
「俺はまだ、お前に負けたと思ってねーけどなっ」
そう言いながらドリブルでキャプテンの横を通ろうとしたが、簡単には許してくれず激しい攻防戦が始まった。
「チッ…」
俺の動きがまる分かりなのか?
俺の動きに合わせるかのように、キャプテンもついてくる。
シツコイ---
「まだまだだな、翔…」
その言葉にカチーンッときましたぜっ!
ダンッ、ダンッ---
ボールの音を聞きながら、キャプテンの動きを感じとろうと軽く目を瞑る。
目を瞑ると何故かキャプテンがこれからどう動くか、手に取るように感じられた。
俺の右…?
予想通りの行動をとったキャプテンの横をすり抜ける。
「…フッ」
キャプテンからなにか聞えた気がしたが、俺はこのチャンスを物にするためひたすら走った。