【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
「…助けに来てくれたの?」
「いつもお前に何かあった時、助けてやってただろ?だからお前は心配しなくても、俺に任せておけばいいんだよ」
俺の言葉に鈴は顔を赤くし、固まってしまった。
そして気付く。
俺達に向けられた多くの視線に。
それに気付いた俺は恥ずかしから早く鈴に退いて欲しいと思っているのに、鈴は全く気付いていない。
「…おい、鈴。そろそろ退け。皆見てるぞ」
一向にどく気配がなさそうだったから、俺がそれとなく言ってやったら鈴がハッとした顔をして周りを見渡した。
そして急いで俺から離れる。
離れた鈴は恥ずかしかったのか、両頬を顔で覆っていた。
「は、恥ずかしい…」
「ほら、まだ試合中だ。行くぞ」
羞恥心一杯であろう鈴が可愛くてずっと見ていたいが、皆の視線が今だに痛かったからしかたなく鈴から離れることにする。
鈴から離れるとノブが俺の傍にやってきて、俺の腕にしがみついてきた。
「…なに?」
暑苦しいんだけど---
「僕も先輩に補助してもらって、ジャンプシュートしたいなっ」