【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
カワイコぶりながら首を傾げて、上目づかいで俺を見るノブの腕を払う。
「あれは鈴限定ーっ」
恥ずかしげもなくそう言ってのけると、ノブは俺の事をジッと見てきた。
なんだよっ?
「そんなの知ってますよー。つーか、みんな知ってます。バレバレッスよ」
そう言ってノブはニヤッと笑いながら、すぐに俺から離れて行った。
「…えっ?」
ばれてる?
俺が鈴の事を好きだって事がか?
うわっ、恥かしぃ---
その後、試合は結局2点差のままキャプテン率いるチームが勝った。
整列している時に、キャプテンが俺と握手を交わしながらニヤニヤする。
なんだよ?
と睨んだら、鈴とのあの作戦Zが良かったと言ってきた。
しかしそんなにニヤニヤ言われたって、俺は全く嬉しくない。
だから睨みつけてやった。
睨んだにも関わらず、キャプテンは更に目を細め笑っていたのはなんでだろうか?
まぁ、いい---
俺達チームは次の試合を観戦する為に、床にペタリと座った。
床が冷たくて気持ちがいいな。
このまま横になりたい。