【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
「うわっ、翔先輩、すっげーキザっ!」
「うっせ…」
近くにいたシノが俺の事をからかってくる。
後輩の癖に、からかうんじゃねぇっ!
赤くなった顔を皆に見せないよう、俺は髪をかき上げる振りをして顔を隠した。
それから俺達チームは全ての試合を、床に座って見ていた。
お陰で俺様の尻は凄く痛い。
因みに優勝チームは、男子キャプテン率いるチームB。
俺達と戦ったところだ…。
なんかムカつくなっ---
* * * * *
晩飯は、バイキング形式のようだ。
ボーっと次期キャプテンになるシノの抱負なるものを聞きながら、少し遠くに見える飯を見ているとノブがコッソリ俺に話しかけてきた。
「翔先輩っ」
「ん?」
チラッと隣のノブを見てからまた飯に視線を移して、気だるげに返事をしてやる。
「から揚げ、食べてくださいねっ。俺の自信の一品料理なんッスよ」
「ふーん、…お前が作ったんだ?楽しみにしてるわ」
そう言ってノブに笑いかけたら、ノブもニヘラッと笑ってきた。
うん、やっぱいい後輩だなっ。
ノブの頭に手を乗せ撫でてやったら、目を細めてスッゲー喜んでいる。
そんなノブを見て、俺も嬉しくなった。