【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
飯時もいつの間にか佳境に入っていた様で、俺達三年生が前に出て一言ずつなにか話せと求められた。
「うえーっ。俺、そう言うの苦手なんだよなぁ」
コッソリ呟いたら、俺の言葉を聴いていたノブが何故か俺の手を握り締めてくる。
ハッ?
「頑張って下さい。俺…、先輩の言葉、しっかり聞いておきますから」
「……聞かなくていいし」
ガックリ肩を落とし、俺は前へと並ぶみんなのところへ行こうと立ち上がり歩こうとしたが動かない。
ノブが手を離なさいなのだ。
ペチンッ…、
と叩くと捨てられた子犬みたいな顔をしてきたが、今の俺は緊張からそんな事は気にしてられなかった。
うぇー…、なに言うかな?
なんて思ってたら、もう俺の番かよっ!
「ハァー……」
軽くため息をついてからみんなを見回すと、俺を見ているみんなの視線と合わさった。
こっち見んなっ!
と言いたいところだが、止めておこう。
よしっ、と気合を入れ、口を開いた。
「俺がバスケ部に入ったのは、ただ単にバスケをやれば身長が伸びるかもてきな?程度の軽い気持ちで入りました。でもバスケをしていく内に、いつのまにかバスケの魅力に惹かれてバスケが好きになりました。バスケが好きになった理由の一つとして、ここにいる皆とバスケをしたからこそだと思う。みんなとバスケが出来てすっげー楽しかった。みんな、今までありがとうなっ」