ポチ。
「僕」は歩き出した。
このチャンスを逃したらまた「僕」に関わるのが難しい気がしたから僕はあとをついていった。
「僕」は僕に気付き足を止めた。
「帰る場所、ないのか?ついてくるな」
相変わらず冷たいやつだ。しかしこれは僕だ。
そしてまた歩き始めた。
(くそ、僕をつれてかえってくれ。そのために僕は戻ってきたんだ)
つい口に出てしまったが、それは人の言葉ではなかった。
「ニャーーーーーーー!」
「僕」は困った顔をしている。
そのまま再び歩き始めた。
結局は僕は家までついていってしまった。
すごく懐かしい気がする。
死んでからであった、あの不思議な人影の人はいっていた。あっちには時間というものが無い。だから5月23日のままだと。となれば今日は4月23日。懐かしいというより寧ろ遡っている。時間がたってないとしても今日家をでて死んだはずなのに。
「僕」は家に上がると水を出してくれた。
ありがたく飲んでみる。
なんだろうか。ものを飲むときにグラス等で飲むのが当たり前だったのに不思議と僕は舌でペロペロと水の入って器から水をのんでいた。意識はあるとはいえ、やっぱり身体は猫なのか。
色々あって疲れたのか僕は喉がかわいてみたいだった。
水がおいしい。