海恋
「いやあああああああ!!」
…立場が逆転した。
裕くんが、チャラ男に掴み掛かり、羽交い締めにした。
「あぬさ、咲良は、俺ぬやいびーんやさから」
え…!?
今裕くん、“俺の”って…!
今ので、嬉しくなってる自分がいた。
な、なんでだ?
「ちっ、んだよ、いきががおるなら言って欲しいさっ」
チャラ男は力ずくで裕くんの腕を引き剥がすと、慌ててどこかに逃げて行った。
「あ、あの… ありがとう…」
裕くんにそう静かに言うと、後ろを向いていた裕くんは振り返って
「気んかいさんけー」
と言い、ニッコリと笑った。
「帰ぇーろう」
あたしはコックリと頷いた。