海恋
ガラガラと戸を開けながら七海が叫ぶと、奥の方から、白髪混じりの髪をお団子結びにした、80代前後位のお婆ちゃんが出て来た。
「おけーりよーさい。
おやまぁ、でーじうじらーさんだねぇ」
お婆ちゃんはニッコリ笑うと、シワシワの手であたしの頬を触った。
何言ってるか、わかんなかったけど。
…温かくて、優しい手だった。
「コイツ、貝橋咲良。
俺ぬ家に居候するけん、ゆたしく」
「よ、宜しくお願いします…」
勝手に七海に紹介され、頭を下げるしかなくなったあたし。
お婆ちゃんに訳を説明して、帰ろうと思ったのに…。