海恋
あ、そういう事。
わざわざここまで来てくれたから、何かあったのかと思った。
「世界史? いいよ」
確か世界史… 3時限目だったかな。
机に向かい、世界史の教科書を取り出すと、裕くんの所まで持って行った。
「にふぇーでーびる!
助かったさー」
「どういたしまして。
3時限目に世界史あるから、この時間終わったらすぐに返してね」
「わかったさ。
んじゃ、あんさーね」
「ん、バイバイ」
世界史の教科書片手に駆けて行く裕くんを見送って、自分の席に戻った。
やっぱり…あたしは、裕くんの事…
…好きじゃ、ないんだ。
前みたいなドキドキがないもの。