海恋
七海は、あたしと別れてからすぐに寝ちゃっただろうけど、お婆ちゃんが寝るのには、随分と時間が掛かった。
時計を見ると、1時を回っていた。
…もう、動いても良いよね?
あたしは、そうっと布団から体を起こし、静かにドアを開けた。
軋む階段をなるべく音を立てないように歩き、お婆ちゃんが寝ているのを確認すると、かなり慎重に玄関を開けて閉めた。
もう外は真っ暗だったが、夜中でも空気がムシッとしていて、暑かった。
部屋から持ち出した懐中電灯で、辺りを照らす。
ここから海までは、徒歩で大体15分位掛かる。
10分程歩いた所で、漸く潮の香りが漂って来るようになって来た。