海恋
その日のユウちゃんは、なんだか浮かない顔をしていて。
話を聞くと、どうやら好きな人が出来たらしい。
あたしが「このクラスの人?」と聞くと、ユウちゃんは小さく頷いた。
「誰なの?」
あたしが聞くと
「…誰にも言わないでね」
そう小声で言い、あたしの耳元で、ある男子の名前を囁いた。
「…陸(リク)くん」
「えっ、陸くん?」
田中(タナカ)陸くんは、頭が良くてスポーツ万能で、とても優しい性格のクラスの男子だった。
そして、女子にも大人気。
ライバルが沢山いるだろうな。
「応援してね」
ユウちゃんに言われて、あたしは笑顔で大きく頷いた。