海恋
あと少しで、この部屋と家ともお別れ。
とは言っても、夏休みなどの長期休みを利用して帰る人もいると聞いたから、あたしも長期休みごとに、帰れたらなるべく帰ろうと思ってるんだけど。
…なんか、こないだから胸騒ぎがするんだよね。
嫌な予感がしてる…。
そう思ってると、後ろから「咲良」と誰かがあたしを呼んだ。
お婆ちゃんじゃない。
この声は…
「七海」
七海だった。
七海とは、同じ屋根の下で暮らしているのに、最近なかなかまともに顔を見れていなかった。
だから、ハッキリと顔を合わせたのは、結構久し振りだった。
「咲良…」
「…七海?」