海恋
七海の様子が、おかしかった。
口元はちゃんと笑っているのに、目はどこか悲しげで。
切ない表情と雰囲気。
「七… あれ?」
七海の姿は、いつの間にか、なくなっていた。
玄関に行き、サンダルが無いのを確認した時点で、察した。
どうやら七海は、どこかに出掛けてしまったらしい。
そして…七海は、午前中に出掛けて、昼過ぎになっても、帰って来なかった。
夕方になり、空が薄暗くなり始めても、七海は帰って来なかった。
さすがに心配になったあたしは、お婆ちゃんに断ってから、家を飛び出した。
「七海… どこにいるの?」
七海。
なんであんな表情をしてたの?
何かあったの?