海恋
集落のあちこちを回り、七海を見ていないかと聞いてみたけど、皆、知らないと言った。
フェリー乗り場で聞いてみても、知らないと言われた。
七海は、どこに行ったんだろう?
「あっ、もしかして…」
僅かな予感を抱き、ある場所に行くと…
「本当に、いた……!」
予感は的中し、ある場所に七海はいた。
ある場所とは、そう、海の事だった。
あたしと七海が、初めて出会った場所。
延々と続く砂浜の道を、七海はゆっくりとした足取りで歩いていた。
時々立ち止まっては、再び歩き出す。
ずっと、ここにいたのかな。
「七海っ」
名前を呼ぶと、七海はゆっくりと振り返った。