嵐は頭痛を運んでくる。【完】




「あの…!
先輩は私のこと……」

言いかけて口をつぐんだ。
いやこれはどうなんだろう。先輩からしたら仲いい後輩が弱ってたから面倒みた…だけ?
それに私やっぱりまだ……。


「俺が怖い?」

その声に上を向くと、先輩と視線が交わる。

「え……いや、えっと…」

「好きだ」

たった一言で、私の頬は燃えているように熱くなる。


「わ、私も気になってます!
でも……もう孤独を感じたくない。こんな嵐の日に指輪を棄てるのはやだ…」


一瞬のうちに唇を奪われる。

「ばーか。」

「……は!?」

先輩はにやっと笑った。

「入社してからずっと見てたって言っただろ。
俺の気持ちなめんな、ばーか。」

先輩の笑顔に、私まで笑ってしまう。

「ばかばかって…」

私がクスクス笑っていると、先輩はふと真顔に戻った。

「何なら今から婚姻届出してもいいけど?」

「いやいやいいです遠慮します!」

恥ずかしさで焦る私に、先輩はまたにやっと笑った。――やっぱり意地悪だ。



「本気だって分かってくれた?」

「はい。」

「じゃあ付き合って?」

「……はい。」


先輩は出会ってから一番の笑顔で、ありがとうと言って、
そして私に熱い熱いキスをした。





嵐もたまには、
私に幸せを持ってきてくれるらしい。


~fin~

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