禁断のプロポーズ
未咲は、その額にぴしゃりと手をやり、押し返して言った。
「私、水沢さん、結構好きですよ。
そんな風に、わざわざ、誘惑してこなくても」
「へえ、そうなの」
と克己は笑う。
「モテて満たされてる人だから、変な気使わなくていいからですよ。
水沢さん、第二に居た姉のことはよくご存知のはずですよね」
「よくって程でもないけど、ご存知ですよ。
おや、いい匂いがしてきた」
と克己は台所を振り向く。
魚の焼ける香ばしい匂いだ。
「なにかなー。
楽しみ」
と手を離し、向こうへ行こうとする。
本当にこの人は、と思ったとき、克己が振り返らないまま言った。
「僕も結構君は気に入ってるよ。
だから、教えてあげよう。
僕は君のおねえちゃんとは、個人的にそう付き合いはなかった。
厄介な美女の一人だと思ってたからね」
「厄介な?」
克己は振り返り、
「言ったろう。
奴ら、常になにか企んでるからね」
と言うので、
「いやあ、きっと、それほどでもないですよ」
と答える。
そりゃ、打算がないかと言ったらあるだろうが。
克己を前に、いつもとは全然違う少女のような顔を見せる灰原は打算だけで動いているようには見えなかった。
だが、克己は、
「甘いよ」
と言い捨てる。
「私、水沢さん、結構好きですよ。
そんな風に、わざわざ、誘惑してこなくても」
「へえ、そうなの」
と克己は笑う。
「モテて満たされてる人だから、変な気使わなくていいからですよ。
水沢さん、第二に居た姉のことはよくご存知のはずですよね」
「よくって程でもないけど、ご存知ですよ。
おや、いい匂いがしてきた」
と克己は台所を振り向く。
魚の焼ける香ばしい匂いだ。
「なにかなー。
楽しみ」
と手を離し、向こうへ行こうとする。
本当にこの人は、と思ったとき、克己が振り返らないまま言った。
「僕も結構君は気に入ってるよ。
だから、教えてあげよう。
僕は君のおねえちゃんとは、個人的にそう付き合いはなかった。
厄介な美女の一人だと思ってたからね」
「厄介な?」
克己は振り返り、
「言ったろう。
奴ら、常になにか企んでるからね」
と言うので、
「いやあ、きっと、それほどでもないですよ」
と答える。
そりゃ、打算がないかと言ったらあるだろうが。
克己を前に、いつもとは全然違う少女のような顔を見せる灰原は打算だけで動いているようには見えなかった。
だが、克己は、
「甘いよ」
と言い捨てる。