禁断のプロポーズ
「若い女なのに、他に心配することはないのか」

「水沢さんは、別にそういうことでは困ってはいませんよ」
と眠いので、布団を被る。

「いや、あの人、お前に気があるんじゃないか?」

「ありません」
と言ったが、うだうだとうるさいので、

「じゃあ、此処で寝て、見張ってればいいじゃないですか」
と言うと、夏目は詰まる。

「……いや、もちろん。

 隣に別に布団を敷いてですよ」

 夏目は少し考え、わかった、と言った。

 押入れから布団を出してきて、横に敷く。

 酒のせいか、ともかく眠かったので、夏目が敷いている途中で意識が遠ざかった。

 跳ねるおばあさんはもう出ては来なかった。
< 121 / 433 >

この作品をシェア

pagetop