禁断のプロポーズ
「……気づいてたんじゃないんですか? 克己さん」

 幾ら足音を忍ばせても、古い床だとどうしても、音がもれる。

 克己が気づいていなかったとも思えないのだが。

「私をからかってたんでしょう?」

 いや、夏目さんをかな?
と思っていると、克己は、夏目から後退しながら言った。

「包丁までは……

 ちょっと想定外」

 夏目はすり足で部屋に入っていき、克己は、じりじりと後退していく。

 なんか武士に無礼討ちにされそうな異国の人みたいだな。

「お茶でも淹れようかな」

 未咲は、殺されそうな克己を置いて、部屋を出た。
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