禁断のプロポーズ
「おねえちゃんのために夏目に近づいた君は邪心だらけじゃん」

 ……うう。

「今も、夏目が好きなわけでもないんだろう?」

 ひやりとするようなことを言ってくるな、と思っていた。

 いや、はっきり好きかどうかわからないってだけで、今、身近に、夏目以上に気になる人は居ないので、好きと言っていいのではないだろうか。

 だが、なんだか怖くて、夏目の方が向けなかった。

「夏目さん、なんでこの人、成敗してくれなかったんですか」
と見ないまま、訴えてみたが、

「今はちょっと、お前を成敗したい気持ちだが」
と言われる。

「そうだよ。
 女なんてそんなもんだよ」
と克己がすぐ尻馬に乗ってくる。

「女はみんな、僕らを騙すためだけに存在してるんだ。

 夏目、最後に頼りになるのは、同性だよ」

 自らの鬱屈した人生感を夏目さんに押しつけないで欲しいんだが、と思っていた。

「でもさ、僕には結構ラブラブに見えるときもあるんだけど。

 未咲ちゃんが、夏目を好きと言い切れないのには、なにか訳があるんじゃないの?」

「え……」

 内心、どきりとしていた。

「君はさー。

 屋根裏に落ちてたオモチャみたいだよね。

 やったー、遊ぼうっ、と思って拾っても、はたいてもはたいても、埃が出てくる」

「例え、悪すぎませんか?」

 そもそも、私で遊ぼうってのは、どうなんだ?
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