禁断のプロポーズ
 



 うとうととしていた。

 誰かが枕許に座っている。

 ……夏目さんのおばあちゃんかな?

 それとも、おねえちゃん?

 おねえちゃん、ごめんね。

 全然真相にたどり着けそうにないや。

 だが、そう思いながら、実際のところ、たどり着いて欲しいのだろうかな、と疑問にも思っていた。

 本当は知られたくないのかもしれない。

 すべてを知りたいと願うのは、後に残された家族の勝手な思いなのかもしれない。

 だが、今も、快活な姉の笑顔を思い出すと涙がこぼれそうになる。

 そのとき、誰かが屈むように自分を見、指で涙を拭ってくれた。

 そのまま出て行こうとする。

 未咲は目を開け、ぼんやりとしたその後ろ姿に呼びかけた。

「夏目さん……?」

 立ち止まった彼に言う。

「なんで出て行くんですか?

 此処に居てください」

 自分にしては、大胆な要求だったかもしれない。

 だが、今はただ、夏目に側に居て欲しかった。

「俺のことなんか好きじゃないんだろう?」

 そう言う夏目に、少し笑い、
「さっき、水沢さんが言ったこと、気にしてるんですか?」
と問うてみた。
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