禁断のプロポーズ
「そんなのいいですけど。

 桜さんっ。

 これ、一等ですよっ」

「どれ?」
と覗いてみた桜が、

「一個だけじゃないの。
 なに騒いでんの、この小市民は。

 三個そろわないと、意味ないでしょうが」
と冷静に言った。

 まあ、確かに。

 しかも、一等二個はよくそろう。

 期待を持たせておいて、いつも最後の一個は違うのだ。

 お金を持っていなかったので、爪の先で削ってみた。

「爪が痛むわよ」

「大丈夫です。
 ネイルしてないし。

 あっ、次も一等ですよ」

 はいはい、と桜は飽きたのか、削り始めたので、気が済んだのか、珈琲メーカーに珈琲をセットし始める。

「じゃじゃーん。
 最後の一個ー」

「気が済んだら、コップ洗って。

 ……なによ、どうしたの?」

「一等です」

「は?」
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