禁断のプロポーズ
「これ、一等ですよ、桜さんっ」

 そう叫び終わる前に口を塞がれる。

「なにするんですかっ」
と言葉にならない声で行ってみたが、桜は、しっ、と己れの口許に指先を当てて言う。

「誰が聞いてるかわかんないでしょ。

 あんた、宝くじに当たったら、怖いのよ。

 周りの環境が激変したりするんだから」

「……桜さん、それ、億とか当たったときの話です」

 これ、五十万なんですけど、と思った。

「家に火とかつけられたらどうするの」

「今、住んでませんが、近所迷惑ですよね〜」

「莫迦ね。
 遠崎の家につけられるに決まってるでしょ」

 ええーっ、と眉をひそめると、

「あそこ、一軒家だし。

 周りに飛びにくいからいいか」
と言う。

「よくないですよ、もうっ。

 あとで、早速換金してきますねっ。

 一万円あげますっ」
と言うと、桜は、

「ええーっ。

 五十万のうちの一万なんて多いわよ。

 今度、お茶でも奢ってよ」
と言った。
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