禁断のプロポーズ
「お、おねえちゃんと居るときに会いました。

 でも、それだけです。

 おねえちゃんが心配してついて来てくれたっていうか」

「じゃ、やっぱり、その後もそいつ、接触を図って来てるじゃないか」

「もう随分前の話ですよ」

 そう必死に言うと、わかったわかった、と夏目はうるさそうに言う。

「ほんとです。
 信じてくださ」

 言い終わらないうちに、水の中から抱きかかえられた。

「夏目さんっ」

 あまり安定感なく抱えられたので、身体を隠す余裕もなく、夏目にしがみつく。

 夏目は、濡れた身体を見下ろし、
「よし、浮気してないな」
と言う。

「……それ確かめに来たんですか?

 意外と性悪ですね」

「嫉妬深いだけだ」

「自分で、それ、言いますか。

 大体、見ただけでわかるんですか」

「勘だ。
 だが、俺の勘は当たる」

「……そうですか?」

「だから、お前とも、きっと兄妹じゃない」

「……そうですか?」
と未咲は繰り返した。

 すがるように彼を見る。
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