禁断のプロポーズ
 だから、未咲があいつに近づき、暮らすことになったとき、少し期待した。

 隙のない、あいつの尻尾を掴んでくれるんじゃないかと。

 まあ、妹かもしれない未咲と居ることが、一番のスキャンダルかもしれないが。

 まさか、本当にあの二人がくっつくとは思っていなかった。

 娘を嫁に出す気持ち、というのではないだろうが。

 少し寂しい気もする。

 特に、未咲が去って、やけに静かに感じるこの部屋に居ると。

 此処は未咲に貸している部屋とはまた違う。

 自宅まで帰るのが面倒臭く、未咲の許に行ってもかしましいな、と思うときに使う部屋だ。

 自分の家なので、このまま泊まっていってもいいのだが、なんだかそれも寂しい気がして、帰ることにした。

 未咲が夜景を見るために開けていたロールカーテンを下げに行く。

 ……カップ麺食べながら、夜景見て楽しいのだろうかな。

 まあ、あいつは、いつでも楽しそうだが。

 その未咲の表情が、夏目と兄妹かもしれないと聞かされてから、ずっと曇っている。
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