禁断のプロポーズ
 


「おはようございますっ」

 翌朝、勢いよく書類を持ってやってきた未咲に、智久は顔には出さなかったが、驚いた。

「どうした?」

 なにか吹っ切れたのだろうか。

「夏目との結論が出たのか?」

 別れたのだろうかな、と思いながら訊くと、未咲は、

「はいっ。
 決めましたっ」
と宣言をする。

「そのうち、DNA鑑定をして、兄妹だったら、二人で海外に行きますっ」

 側に立って、さっきまでスケジュールの説明をしていた佐々木が珍しく驚いた顔をしていた。

「……未咲、そこまで人にバラさなくていい」

「志貴島は、会長の娘なんですか?」

 そう呟いた佐々木に、
「なんでそう思う?」
と訊いてみた。

 母親が同じ、という可能性もあるのに、何故、そう思ったのか、確かめたかったからだ。

「いえ、言われてみれば、そういえば、会長と似てるなと思って」

 やはりか、と思った。

 自分よりも佐々木の人を見る目の方を信用している。

 その佐々木が言うのなら、間違いないだろう。
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