禁断のプロポーズ
 未咲が目に見えてしゅんとしてしまう。

「おい、人のせいみたいな顔をするな。

 お前が俺に相談もなしに、たいして面識もない夏目に、突撃プロポーズして、同居して、付き合い始めたんじゃないか」

「なんか順番おかしいですね」
と佐々木が大真面目な顔で言う。

「……そうでしたね。

 時間が戻るなら、自動販売機の前に居た夏目さんに、ちゃんと、おねえちゃんのことで話があるって言……

 言いません〜っ」
と未咲は叫び出す。

 本当に手間のかかる娘だ。

「私も電撃プロポーズの話は聞きましたが、でもですよ。

 人間って、嫌な相手には、間違ってもそんなこと言わないじゃないですか。

 志貴島、お前、最初から遠崎課長が好きだったんじゃないか?」
と佐々木に言われ、未咲は、

「そ、そうなんですかねー?」
と言い出す。

「そういえば、夏目さんを初めて見たときから、格好いいとは思ってました」

「……洗脳するな、佐々木」

 どうにもならない相手かもしれないのに、と溜息をつくと、

「お前、もしかして、遠崎課長が初恋なんじゃないか?

 ほら、初恋は叶わないって言うだろう」
と佐々木はうまくまとめようとしたようだが。

「初恋かどうかは微妙ですね」
と未咲が呟く。
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