禁断のプロポーズ
「なになに?
 夏目より、専務より、僕の方が格好いいって気がついた?」

「水沢さんが格好いいのは、知ってますよ」

「なんか胸に響いてこないだけよね」

 未咲の言葉に被せるように、桜がそう言った。

「……ひどいこと言うねえ、君たち。

 あれかな?

 僕に金も権力もなさそうだからかな?」

 金はなさそうにはないが、と思いながら、
「そういうのじゃないんですけど」
と言うと、桜が呟く。

「そりゃあ、金と地位と名誉のついたイケメンの方がいいですけど」

「桜さん、前聞いたときより、増えてませんか?」

「貪欲だねえ、女って」

 ストレートに言われて、克己は苦笑いしていた。

「でも、……好きになったら、もう関係ないですよね。

 その人が貧乏になろうとも」

「専務はどう転んでも貧乏にはなりませんよ」

 今の地位関係なしに、金持ちだからな、と思っていた。
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