禁断のプロポーズ
「うちの会社の今、最大の秘密は、お前も会長の隠し子かもしれないってことくらいだよ」
と言う。

「じゃあ、私が消される可能性大ですね。
 貴方に」
と笑うと、

「そうだな。
 お前はその減らず口でいつか俺に消されると思うぞ」
と言う。

「まあ、そんな感じで。

 おねえちゃんが死んだ理由とおねえちゃんの好きな人は関係ないんじゃないかと思ったんです。

 智久さんが、社長になるために、誰かと結婚する必要があったとかなら別ですが。

 おねえちゃんの存在が邪魔になるでしょうから」

「後継者に決まったら、いい相手を紹介しようと会長には言われたが。

 それは俺が後継者に決まったら、の話だ。

 その相手と結婚したら、後継者になれる、じゃないから、関係ないな」

「そうですよね。

 それに貴方は自分の力をちゃんと評価してもらいたい人だから。

 結婚相手で後継者を決めると言われても乗らないでしょうね」

「お前と結婚したら、後継者になれるという話なら乗ってもいいぞ」

「は?
 なんでですか?」

「お前と結婚したところで、今までの生活と大差ないからだ」

「……私的には、大差ありますけどね。

 いろんな意味で」

 智久にはずっと世話になっていたが、そういう関係ではなかったので。

 急に夫や恋人になられては困る。

 彼こそ、兄のようなものだからだ。
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