禁断のプロポーズ
「智久さんは兄のようなものなので、まったく考えられませんが」
と言うと、
「莫迦か、お前は。
お前が妹なら、此処まで親切にはしないぞ」
と言われる。
「すみません。
私の中のおにいちゃん像を壊さないでください」
『おにいちゃん』というものは、妹想いで、優しい、というイメージだったのだが。
いや、智久はそんなにストレートに優しいわけではないが。
「兄なんて、そんなものだ。
だいたい、お前の『おにいちゃん』は、夏目だろうが」
「うわっ。
ピンポイントで嫌なところを突いてきますね。
まだ、そうかもしれないってだけでしょ」
「でも、お前の母親が会長の子供を産んだかもって噂は前からあったんだぞ」
「聞きたくないんですけどー」
と言ったが、智久は違うことで考え込んでいるようだった。
「なんだかんだ言いながらも、お前が他人で女だから、優しくしたのだろうかな、俺は。
下心でもあったんだろうか」
自己分析を始めた智久は、こっちに訊かれても困るな、ということを言い出した。
「そ、そんなこともないと思いますが」
「未咲」
と呼びかけられ、はい? と見ると、
「お前、夏目と結婚するんだろう、どうあっても」
と訊いてくる。
どうあってもってどういう意味だ、と思いながら、
「……その予定ですか」
と言うと、
「じゃあ、結婚前に俺への借金を清算して、身綺麗にしときたいだろ」
と言い出す。
と言うと、
「莫迦か、お前は。
お前が妹なら、此処まで親切にはしないぞ」
と言われる。
「すみません。
私の中のおにいちゃん像を壊さないでください」
『おにいちゃん』というものは、妹想いで、優しい、というイメージだったのだが。
いや、智久はそんなにストレートに優しいわけではないが。
「兄なんて、そんなものだ。
だいたい、お前の『おにいちゃん』は、夏目だろうが」
「うわっ。
ピンポイントで嫌なところを突いてきますね。
まだ、そうかもしれないってだけでしょ」
「でも、お前の母親が会長の子供を産んだかもって噂は前からあったんだぞ」
「聞きたくないんですけどー」
と言ったが、智久は違うことで考え込んでいるようだった。
「なんだかんだ言いながらも、お前が他人で女だから、優しくしたのだろうかな、俺は。
下心でもあったんだろうか」
自己分析を始めた智久は、こっちに訊かれても困るな、ということを言い出した。
「そ、そんなこともないと思いますが」
「未咲」
と呼びかけられ、はい? と見ると、
「お前、夏目と結婚するんだろう、どうあっても」
と訊いてくる。
どうあってもってどういう意味だ、と思いながら、
「……その予定ですか」
と言うと、
「じゃあ、結婚前に俺への借金を清算して、身綺麗にしときたいだろ」
と言い出す。