禁断のプロポーズ
「お前を二千万で買ってやろう」

「いえ、結構で」

「じゃあ、二億で。
 もうそのくらい利子がついてるぞ」

「どんな消費者金融よりもタチが悪いじゃないですかっ。

 って、今、そんなことより、訊いておきたいことがあるんですよっ」
と自分に近づこうとする智久を押しとどめる。

「智久さん、なんでおねえちゃんと別れたんですか」

「お前言ったろう。
 俺のプライドが高いって。

 あいつ、俺の他に男が出来たんだ」

 だから、捨てた、と智久は言うが。

 それ、先に貴方が捨てられてたんじゃ、と思っていた。

「今、なにか思ったろう」
と額が当たるくらい近くで瞳を見られ、言われた。

「い、いえ、別にっ。
 なにか根拠があるんですか、それ」

「あいつが自分で匂わせるようなことを言ったんだ」

「それ、貴方にヤキモチ妬かせようと思ったか、止めて欲しかったかじゃないんですかっ。

 そうじゃなきゃ、イヤリング、落としていかないでしょう?」

「たまたま落としたんじゃないのか?

 だが、夏目の家に落としたのはわざとだ」

「え?」
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