禁断のプロポーズ
「夏目の家であいつがイヤリングを落としたのは、うちで片方なくしたあとだ。

 片方しかないイヤリングをつけて歩くとは思えない」

「そ、そんなファッションもありますよ」
と言ったが、智久は冷たい目で見て言う。

「夏目は女の服装なんかには興味ないから、よく見てなかったんだろう。

 たぶん、あいつは最初から、そのイヤリングをつけてなかったんだよ。

 そして、夏目の家に持って行き、それを隠した。

 夏目に気づかれないように。

 いつか、誰かが。
 例えば、お前が、見つけてくれるように」

 未咲は黙って、智久の言葉を聞いていた。

「あいつの浮気相手は、夏目だ。

 もしかしたら、夏目があいつを殺したのかもな。

 今は夏目はお前を本気で好きなのかもしれないが。

 もともとはお前がまずいことを探り出さないよう、手許に置いて見張ってたんじゃないのか?」

 さっきの日記を読み返してみろ、と智久はソファに置かれたそれを指差す。
< 297 / 433 >

この作品をシェア

pagetop