禁断のプロポーズ
いろいろ想いを巡らせすぎて疲れ、とぼとぼと夏目の家に帰った未咲は、えっ、と思った。
家の前にパトカーが止まっていたからだ。
近所の人たちも集まっている。
「なにかあったんですか?」
顔見知りのおばさんに訊くと、
「ああ、未咲ちゃん、何処行ってたのっ。
泥棒よ、泥棒」
と慌てたように言う。
「泥棒?」
なんでまた、こんな特に金もなさそうな普通の民家に。
近くに孔雀も居るような豪邸があるのに。
鍵もかけてなさそうだからだろうかな、と思った。
「夏目さんは?」
「夏目ちゃんは大丈夫」
子供の頃のまま、おばちゃんたちは、大きくなっても、彼を夏目ちゃんと呼んでいる。
ほら、今、そこでお巡りさんとお話ししてるじゃないの」
なるほど、野次馬の向こう、玄関先で話している夏目の姿が見えた。
とりあえず、ほっとする。
「この子、だあれ?」
と近くに居た知らないおばさんが、いつものおばちゃんたちに未咲のことを訊いていた。