禁断のプロポーズ
 いや、酔った大人が、鬼ごっこしないと思うのだが。

 心臓に来て、本気のデスゲームになってしまいそうだから。

 しかし、うまく誤魔化されてくれたようだった。

 警官が到着した刑事に呼ばれて、門の方へ行ったので、夏目に智久から聞いた話をすると、彼は、入り口で話している刑事たちを見ながら、

「智久の推理は当たってる気がするな」
と呟いた。

「え?」

「イヤリングと日記のことだよ。
 意図的に置いたり、書かれたりしたものだってことだ。

 智久が言うように、俺が犯人だから、というのが理由じゃないと思うが」

「……ですよね」

 一緒に暮らしてわかった夏目の性格等から考えるに、彼が犯人ということはないだろうと思ってはいたのだが。

 智久と話していると、違うとわかっていても、その術中にはまってしまいそうになる。

 智久自身にそう言うと、

「お前でも、そんなこともあるのか。

 なんか弱ってるのか?」
と笑っていたが。

 完全に私をストレス解消のオモチャかなにかだと思ってるからな、あの人。

 ということは、今、ああいう行動に出てくるということは、なにかストレスがあるのだろうかな、と思ったとき、

「見せてみろ」
と夏目が言った。
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